融資審査で銀行が見るポイント10項目|審査基準・必要資料・申込前の準備
融資審査では、決算書の黒字・赤字だけでなく、何に使い、どのように返すかを一貫して説明できるかが見られます。
銀行、信用金庫、日本政策金融公庫への申込では、返済可能性、資金使途、決算内容、事業計画、資金繰り、既存借入、納税状況などが総合的に確認されます。
この記事では、融資審査で確認される10項目と、申込前に整えたい資料を実務目線で解説します。
借入金の必要性と返済可能性を、決算書、試算表、事業計画書、資金繰り表、見積書、面談説明で一貫して示します。
融資審査は過去・現在・将来を総合して判断する
過去の実績
- 決算書・確定申告書の売上と利益
- 既存借入の返済履歴
- これまでの事業経験と取引実績
現在の状態
- 直近試算表と預金残高
- 今後の入金・支払予定
- 税金・社会保険料の納付状況
借入後の見通し
- 売上・利益計画
- 資金繰りと返済計画
- 計画未達時の対応策
黒字決算だけで融資が決まるわけではありません。借入金を何に使い、事業からどのように返済するかを、資料と面談の説明で一貫して示す必要があります。
融資審査で銀行が見る10項目
| 審査項目 | 確認される内容 | 主な資料 |
|---|---|---|
| 返済可能性 | 借入後も元金・利息を返済できるか | 利益計画、資金繰り表 |
| 資金使途 | 何に、いつ、いくら使うか | 見積書、資金使途明細 |
| 必要額の妥当性 | 希望額が過大・過少でないか | 費目別計算、支払予定 |
| 収益性 | 売上・粗利益・営業利益を確保できるか | 決算書、試算表 |
| 財務安全性 | 現預金、純資産、借入負担の状態 | 貸借対照表、借入一覧 |
| 事業計画 | 売上予測や投資効果に根拠があるか | 事業計画書、受注資料 |
| 資金繰り | 入金と支払のずれに耐えられるか | 月次資金繰り表 |
| 既存借入 | 残高、返済負担、延滞の有無 | 返済予定表 |
| 納税状況 | 税金等を適切に申告・納付しているか | 納税証明、分納資料 |
| 経営者・事業実態 | 数字の理解、説明の一貫性、事業の実在性 | 会社案内、契約、許認可 |
返済可能性は利益と現金の両面から確認される
金融機関は、損益計算書上の利益だけでなく、実際に返済へ回せる現金が残るかを確認します。売上があっても、売掛金の回収が遅い、在庫が増えている、税金や設備代金の支払が重なる場合は、資金不足が起こります。
- 営業利益・経常利益の推移
- 減価償却費を含む返済原資
- 既存借入を含む年間返済額
- 返済後の月末預金残高
- 売上未達時の資金余力
据置期間終了後の元金返済、利息、既存借入の返済を含めて月末残高を確認してください。
資金使途と希望額は費目別に説明する
「念のため」「借りられるだけ」という説明では、必要額を判断できません。運転資金と設備資金を分け、支払先・支払日・金額を整理します。
運転資金
- 仕入、外注費、人件費、家賃等を分類
- 何か月分必要かを計算
- 売掛金の回収時期を反映
設備資金
- 見積書・仕様書を用意
- 契約・発注・納品・支払日を整理
- 導入後の売上・経費削減効果を算定
資金使途の違いは、運転資金と設備資金の違いで確認できます。
決算書・試算表で説明を準備する数字
| 資料 | 確認されやすい内容 | 説明したい変化 |
|---|---|---|
| 損益計算書 | 売上、粗利益、営業利益、経常利益 | 売上・利益率・人件費の増減理由 |
| 貸借対照表 | 現預金、売掛金、在庫、借入金、純資産 | 在庫増、役員貸付金、債務超過等 |
| 試算表 | 決算後の最新業績 | 直近の改善・悪化と季節要因 |
| 借入一覧 | 残高、月返済、完済時期 | 今回借入後の返済負担 |
赤字や債務超過がある場合は、原因だけでなく、直近の改善実績と今後の解消計画を示します。
事業計画書と資金繰り表の整合性
売上予測は、客数×単価、契約数×月額、受注件数×平均単価などに分解します。売上増に伴う仕入・外注・人件費も反映し、実際の入金月と支払月へ置き換えて資金繰り表を作ります。
- 決算書の実績を出発点にする
- 売上予測の計算根拠を保存する
- 資金使途と借入額を一致させる
- 借入後の返済を月次で反映する
- 計画未達時の対応策を用意する
詳しくは、融資用事業計画書の書き方をご確認ください。
既存借入・税金・保証の確認
既存借入があることだけで否定されるわけではありません。借入先、残高、月返済額、資金使途、完済予定、延滞の有無を一覧にします。税金や社会保険料に分納・滞納がある場合は、残額、納付実績、完納予定を隠さず説明します。
信用保証協会付き融資でも、金融機関と信用保証協会が事業実態、資金使途、返済見込み等を確認します。
融資審査前の実務チェックリスト
申込前に確認すること
- 希望額と資金使途の合計が一致している
- 支払期限から逆算して相談している
- 最新の決算書・試算表を用意している
- 売上予測に数量・単価等の根拠がある
- 既存借入と返済額を一覧化している
- 税金等の納付状況を確認している
- 資料間の数字と基準日が一致している
- 経営者自身が内容を説明できる
よくある質問
融資審査で最も重視されるのは何ですか?
中心となるのは返済可能性と資金使途です。借入金の必要性と、事業から生じる利益・現金で返済できることを資料で示します。
赤字決算だと融資を受けられませんか?
赤字だけで一律に決まるものではありません。赤字原因、一時性、直近の改善、返済原資を説明できるかが重要です。
担保があれば必ず融資を受けられますか?
必ずではありません。担保・保証は信用補完であり、事業から返済できるかも確認されます。
融資審査では個人の借入も確認されますか?
個人事業主、創業者、経営者保証が関係する場合などに、代表者個人の借入・返済状況が確認されることがあります。
審査期間はどれくらいですか?
金融機関、制度、保証協会利用の有無、資料の準備状況により異なります。支払直前ではなく早めに相談してください。
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参考となる公的情報
融資条件、必要書類、審査内容は、金融機関・制度・申込者の状況により異なります。実際の申込時には最新の公式情報をご確認ください。
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融資審査で説明すべき数字と資料を整理します
決算書、試算表、資金使途、事業計画書、資金繰り表、既存借入を確認し、金融機関が判断しやすい資料へ整えます。
