融資に強い事業計画書の書き方|銀行が確認する10項目と売上・返済計画
融資用の事業計画書は、事業の魅力だけでなく、必要資金と返済可能性を数字で示す資料です。
銀行融資や日本政策金融公庫への申込では、文章を長く書くより、事業内容、売上根拠、資金使途、返済計画を一つの流れで示すことが重要です。
この記事では、計画書の構成、売上予測、費用・利益、資金繰り、リスク対応まで具体的に解説します。
事業内容、顧客、強み、必要資金、売上・利益の根拠、借入後の資金繰り、返済方法を一つの流れで説明します。
融資用事業計画書の役割
融資用の事業計画書は、事業の魅力だけを伝える資料ではありません。金融機関が、資金の必要性、事業の実現可能性、借入後の返済可能性を判断するための資料です。
金融機関が知りたいこと
- 何を行う事業か
- 誰に何をいくらで売るか
- なぜ資金が必要か
- 売上・利益をどう作るか
- 借入金をどう返すか
計画書で示すもの
- 代表者経験と事業概要
- 顧客・市場・競合との差
- 資金使途と見積額
- 売上・費用・利益計画
- 資金繰りとリスク対応
融資用事業計画書の基本構成10項目
| 項目 | 記載内容 | 根拠資料 |
|---|---|---|
| 会社・事業概要 | 事業内容、収益の仕組み | 会社案内、許認可 |
| 代表者経験 | 職歴、業界経験、資格 | 経歴書、資格証 |
| 商品・サービス | 内容、価格、販売方法 | 料金表、商品資料 |
| 顧客・市場 | 対象顧客、商圏、需要 | 統計、顧客データ |
| 自社の強み | 選ばれる理由、実績 | 受注実績、紹介実績 |
| 営業計画 | 集客方法、営業件数 | 販促計画、商談資料 |
| 売上・利益計画 | 数量、単価、原価、固定費 | 計算表、過去実績 |
| 資金使途 | 何に、いつ、いくら使うか | 見積書、支払予定 |
| 調達・返済計画 | 自己資金、借入額、返済期間 | 通帳、返済予定表 |
| リスクと対策 | 売上未達、費用増への対応 | 複数シナリオ |
事業概要は第三者が理解できる言葉で書く
銀行担当者が業界に詳しいとは限りません。専門用語を並べず、対象顧客、商品・サービス、販売方法、価格、売上発生の流れを簡潔に説明します。
「奈良県内の中小建設業者を対象に、月額契約で請求・事務業務を代行し、1社当たり月額5万円を受領する」のように、顧客・サービス・収益方法をまとめます。
強みは抽象語ではなく実績で示す
| 抽象的な表現 | 具体化の例 |
|---|---|
| 高品質 | 経験年数、資格、対応件数、再注文率で示す |
| 地域密着 | 対応地域、既存顧客数、紹介実績で示す |
| 価格競争力 | 仕入条件、工程短縮、固定費構造で示す |
| 市場が成長 | 公的統計と自社の商圏・顧客を結び付ける |
市場データは貼るだけでなく、自社の売上計画へどのように反映したかを書きます。
売上予測は数量と単価に分解する
店舗・サービス業
来店客数 × 客単価 × 営業日数
席数、営業時間、既存実績、予約状況を根拠にします。
受注型事業
問い合わせ件数 × 成約率 × 平均受注額
過去の問い合わせ・見積・成約実績を使います。
継続契約型
契約社数 × 月額単価 × 継続月数
解約率と営業担当者の獲得能力を反映します。
設備型事業
生産数量 × 販売単価 × 稼働率
設備能力、歩留まり、受注見込みを反映します。
仕入、外注、人件費、販売手数料、運送費等を利益計画へ反映してください。
費用・利益計画を作る
変動費
- 仕入・材料費
- 外注費
- 販売手数料
- 運送・梱包費
- 売上連動人件費
固定費
- 家賃・リース料
- 役員報酬・給与
- 社会保険料
- 通信・システム費
- 保険・専門家費用
法人化では役員報酬と社会保険料、設備投資では減価償却費、保守費、電気代等も確認します。
資金使途と必要額を積み上げる
| 区分 | 費目例 | 根拠資料 |
|---|---|---|
| 設備資金 | 機械、車両、内装、システム、保証金 | 見積書、契約書、仕様書 |
| 運転資金 | 仕入、外注、人件費、家賃、広告費 | 月次費用、受注資料、資金繰り表 |
| 創業資金 | 開業設備、初期仕入、開業後固定費 | 創業計画、通帳、見積書 |
支出合計から自己資金と確実な入金を差し引き、必要借入額を計算します。補助金は採択・入金前から確実な資金として扱いません。
返済計画は資金繰り表で確認する
返済可能性は利益計画だけでなく、実際の入金・支払の時期で確認します。
- 融資実行月と設備代金支払月を反映
- 売上発生月ではなく入金月を反映
- 据置期間後の元金・利息返済を反映
- 既存借入の返済も加える
- 売上未達時の最低残高を確認
資金繰り表の作り方もご確認ください。
評価を下げやすい事業計画書
提出前に直したい状態
- 売上が大きく増えるのに根拠がない
- 必要資金の内訳が一式になっている
- 借入返済を資金繰りへ反映していない
- 決算書・試算表と数字が合わない
- リスクが一切記載されていない
- 経営者本人が内容を説明できない
文章の完成度より、前提と数字を経営者自身が理解していることが重要です。
よくある質問
事業計画書は何ページ必要ですか?
ページ数より、事業内容、資金使途、売上・利益、返済計画を短時間で理解できる構成が重要です。詳細計算は別紙にできます。
銀行所定の様式だけで足りますか?
申込内容によります。設備投資、新規事業、赤字改善など説明事項が多い場合は、売上根拠や資金繰り等の補足資料を付けます。
売上予測は強気に作るべきですか?
強気・弱気ではなく、客数、単価、受注、稼働率等の根拠から作ります。売上未達時の資金繰りも確認します。
専門家が作った計画書をそのまま提出できますか?
提出はできますが、経営者自身が数字と前提を説明できる必要があります。作成過程に参加してください。
行政書士へ事業計画書作成を依頼できますか?
融資用の事業計画書、資金使途明細、売上・利益計画、資金繰り表等を相談できます。税務判断は税理士等との連携が必要な場合があります。
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参考となる公的情報
融資条件、必要書類、審査内容は、金融機関・制度・申込者の状況により異なります。実際の申込時には最新の公式情報をご確認ください。
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