創業者向け|開業前に必ず押さえる「資金調達・融資・許認可」の全体像
創業を考え始めたとき、多くの方が最初につまずくのが次の3点です。
- いくらお金が必要なのか分からない
- 融資はいつ・どこに相談すればいいのか分からない
- 許認可が必要かどうか、判断がつかない
これらは別々の問題ではありません。 創業時は「資金調達・融資」と「許認可」を同時に整理することで、失敗や遠回りを避けることができます。
この記事では、創業者が開業前に知っておくべき全体像を、実務の視点で解説します。
創業時に必要なお金は「3種類」に分けて考える
創業資金というと、設備や内装などの「開業資金」だけをイメージしがちですが、それだけでは足りません。
① 開業資金(初期費用)
- 店舗の内装工事費
- 設備・機械・車両の購入費
- 事務所の賃料・保証金
② 運転資金
- 家賃・人件費
- 仕入代金
- 水道光熱費・通信費
売上が安定するまでの数か月分を想定します。
③ 生活費(見落とされやすい)
個人事業・創業直後の法人では、 事業が軌道に乗るまで生活費をどうするかが重要です。
ここを考えずに創業すると、 「売上は出ているのに資金が足りない」という状態になりやすくなります。
創業融資を考える前に決めておくべきこと
金融機関に相談する前に、最低限整理しておきたいポイントがあります。
法人か個人事業か
- 個人事業で始めるのか
- 最初から法人を設立するのか
この判断で、
- 融資制度
- 必要書類
- 許認可の取り方
が変わります。
許認可が必要な事業かどうか
業種によっては、許認可がないと事業を始められません。
この判断を誤ると、
- 融資が進まない
- 開業時期がずれる
といった問題が起きます。
開業予定時期
「いつ開業したいのか」によって、 融資の申し込みタイミングも逆算されます。
許認可がないと融資が進まないケース
創業融資では、 事業が本当に始められるかどうかが重要視されます。
特に次の業種では、許認可の有無が大きな判断材料になります。
- 建設業
- 飲食業
- 介護・福祉事業
- 運送業
- 古物営業
これらの業種では、
- 許認可が未取得
- 要件を満たしていない
場合、金融機関では 「まだ事業として成立していない計画」 と見られることがあります。
創業融資と許認可、どちらを先に動くべきか
これは創業者から非常によく受ける質問です。
結論は、 同時並行で整理し、順番は業種ごとに判断するです。
許認可を先に固めた方がよいケース
- 人・経験・資格要件が厳しい業種
- 事務所要件がある業種
→ 要件を満たせないと、融資以前の問題になります。
融資の相談を先に始めてもよいケース
- 許認可が比較的取りやすい業種
- 設備資金が大きい業種
→ 資金計画を先に整理することで、無理のない開業が可能になります。
創業者が最初に相談すべき専門家の考え方
創業時は、 「誰に、何を相談するか」で結果が大きく変わります。
税理士
- 会計・税務の設計
- 事業計画の数字面
行政書士
- 許認可の要否判断
- 許認可取得スケジュール
- 融資と許認可の整理
金融機関
- 創業融資の制度説明
- 必要書類の確認
特に創業段階では、 資金調達と許認可を分けて考えないことが重要です。
創業時によくある失敗例
- 許認可が必要と知らずに融資を申し込んだ
- 設備を先に契約して資金が足りなくなった
- 開業を急ぎすぎて、返済計画が甘くなった
これらは、 事前に全体像を把握していれば防げるものばかりです。
創業前の段階でも相談は可能
創業前でも、
- 資金計画の整理
- 創業融資の進め方
- 許認可の要否と取得時期
について相談を受けています。
「何から手を付ければいいか分からない」 「まだ具体的に決まっていない」
という段階でも問題ありません。
創業は、最初の設計で大きく差がつきます。
不安がある場合は、早めに全体像を整理することをおすすめします。
創業者向けの記事
創業者向けに下記の記事もありますので、是非ご覧ください。
「創業資金の借り方|融資の注意点も解説」
「創業者向け・開業時の資金繰りのポイント」
「法人化タイミングと融資の関係:いつ会社設立すると有利になるのか」
「お悩み:どの金融機関から借入すべき?事業フェーズ別の失敗しない選び方ガイド」
