補助金と融資のどちらを優先すべきか悩んでいる方へ

資金繰りの観点から“正しい順番”を解説します

補助金と融資の違いがわからず、判断できない方が多いです

「補助金と融資、どっちを先に申し込むべき?」
「今すぐ資金が必要だけど、補助金も気になる…」

このような相談は非常に多いです。

結論から言うと、補助金と融資は“役割”が違うため、優先すべき順番もケースで明確に分かれます。

この記事では、行政書士・金融機関の融資担当者としての実務経験をもとに経営者が迷わず判断できるよう、補助金と融資の正しい使い分け を解説します。

補助金と融資は「目的」からして別物です

補助金

  • 返済不要
  • 後払い(先に自己資金が必要)
  • 審査が厳しい
  • 入金まで3〜12か月かかる

融資

  • 返済が必要
  • すぐ資金になる
  • 借入枠を確保できる
  • 前向きな投資にも運転資金にも使える

この時点で、役割が明確に違うことがわかります。

こんな時は「融資」が先です

結論、以下のどれかに当てはまる場合は 融資を先に取った方が良い です。

① 今すぐ資金が必要なとき

補助金は後払いのため、手元資金が足りないと事業自体が進みません。

  • 広告費
  • 家賃
  • 仕入れ
  • スタッフ給与
  • 機器の先払い

これらは補助金では対応できないため、融資の方が確実です。

② 補助金の採択が読めないとき

補助金は採択されなければ 0円 です。
審査の特性上、どれだけ準備しても「絶対」はありません。

確実性を求めるなら融資が優先になります。

③ 設備購入の支払いが“補助金の入金より先”になるとき

設備投資は支払期限が決まっていることが多く、補助金の入金タイミングでは間に合わないケースが多いです。

逆に、こんな時は「補助金」が先です

次のような状況では 補助金の検討を先に進めた方がメリットが大きい です。

① 設備・IT・販路開拓など“明確な投資計画”があるとき

補助金は、明確な目的のある投資に非常に強いです。

  • 機械装置
  • ITツール
  • HP制作
  • 新商品開発
  • 店舗改装

補助金で自己負担を下げつつ、足りない部分を融資で補うのが理想です。

② 投資規模が大きく、補助金で負担を減らしたいとき

設備投資で300〜800万円などのケースでは、補助金による負担軽減の効果が大きくなります。

③ 融資の審査に不安があるとき

補助金の採択は、実は金融機関からの評価にもプラスになります。
計画性・実現性の“お墨付き”がある状態で融資を申し込めるためです。

プロがよく使う“最適な組み合わせ”はこれです

実務でよく提案するパターンは次の流れです。

【最も多い成功パターン】

  1. 融資で先に資金を確保
  2. 投資計画を固めたうえで
  3. 補助金を申請
  4. 採択されれば自己負担を軽減
  5. 不採択でも事業は進められる

これが一番倒れにくい資金計画になります。

よくある失敗パターン

補助金が通る前提でスケジュールを組んでしまう

不採択だった場合に資金ショートの危険があります。

“補助金だけでなんとかする” と考えてしまう

補助金では仕入れや人件費をカバーできないことが多く、資金繰りが不安定になります。

融資を嫌がって遅れてしまう

設備導入のタイミングを逃して、売上の機会損失につながります。

補助金と融資、優先順位の決め方(まとめ)

最後に判断基準をシンプルにまとめます。

今すぐ資金が必要 → 融資が先

設備・IT投資の計画が明確 → 補助金を先に検討

両方必要な場合 → 融資で資金確保 → 補助金申請 の順が安全

補助金と融資はどちらが上という話ではなく、目的と資金繰りに合わせて正しく並べることが大切です。

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