お悩み:借入金の内容が分からないときの確認方法は?
事業を運営するうえで、金融機関からの借入は欠かせない資金調達手段です。しかし、融資が下りた後に「契約内容をうっかり忘れてしまった」「詳細がよく分からない」と悩む経営者も少なくありません。借入金の内容を正確に把握していないと、資金繰りに影響を与え、思わぬトラブルの原因になりかねません。
ここでは、借入金の内容を理解し、資金管理に活かすためのポイントを解説します。
借入契約の種類と特徴
借入金の契約方法は、主に以下の2種類に分けられます。
- 短期借入(手形貸付)
- 約束手形を発行して契約します。
- 借入期間が短期で、返済期日に一括で返済できる場合に用いられることが多いです。
- 長期借入(証書貸付)
- 金銭消費貸借契約書に署名捺印して契約します。
- 金融機関に契約書原本が保管され、借入人にはコピーや返済予定表が交付されます。
返済方法の種類
借入金の返済方法には、事業の資金繰りに合わせていくつかの方式があります。代表的なものを押さえておきましょう。
期日一括返済
- 返済期日に一括で元金を返済します。
- 期間中は利息のみの支払いが多く、短期借入で利用されます。
- 元金の返済原資が確保できる場合に適しています。
元金均等返済
- 毎月の元金返済額は一定で、利息は残元金に応じて計算されます。
- 初期の返済額は高めですが、返済が進むにつれて利息負担が減少します。
- トータルの返済額は元利均等返済より少なくなる場合が多いです。
元利均等返済
- 毎月の元金+利息の合計額が一定の返済方式です。
- 毎月の返済額が一定なので資金繰り管理がしやすい反面、トータルでの利息負担は元金均等返済より大きくなります。
金利の種類
借入金には金利が設定されます。固定金利と変動金利の違いを理解しておきましょう。
固定金利
- 借入時に決定した金利が完済まで変わりません。
- 金利上昇リスクを避けたい場合に有利ですが、低金利時には割高になる場合があります。
変動金利
- 借入期間中に基準金利に応じて金利が変動します。
- 当初は低金利でメリットがありますが、政策金利の上昇により将来の利息負担が増える可能性があります。
借入金内容を把握するメリット
借入契約内容を理解していない経営者は、多くの場合、資金繰りに不安を抱えています。正確に把握することで以下のメリットがあります。
- 毎月の返済額や期日を把握でき、資金繰りが安定する
- 借入条件に応じた経営判断ができる
- 金融機関への追加融資や条件変更の相談がスムーズに行える
借入内容の確認方法
- 契約書・返済予定表を確認する
- 金融機関から交付されたコピーや返済予定表をチェック
- 返済開始日・利率・返済額・返済方法を確認
- 必要に応じて再交付を依頼する
- 契約内容を紛失している場合は、金融機関に返済予定表の再交付を依頼できます
- 専門家に相談する
- 経営者自身だけで把握が難しい場合、行政書士や中小企業診断士など専門家に相談することで、より正確で実務的なアドバイスを得られます
まとめ
- 借入金の内容(返済方法・金利・返済期間など)を正確に把握することは、資金繰り管理の基本です。
- 知らないまま放置すると、資金ショートや返済遅延など、事業運営に支障をきたす可能性があります。
- 契約書のコピーや返済予定表を手元に置き、必要であれば金融機関や専門家に確認・相談することをおすすめします。
