銀行に返済猶予(リスケ)を依頼する方法|事業者向け実務ガイド
事業の資金繰りが苦しくなったとき、銀行に返済猶予(リスケジュール)を相談することは決して恥ずかしいことではありません。
適切な準備と手順で相談すれば、返済負担を軽減して 経営改善の時間を確保することができます。
リスケ(返済猶予)とは?
返済猶予(リスケジュール)とは、融資の返済条件を再設定し、返済の負担を一時的に軽くする手続きです。
代表的な対応内容は次の通りです:
- 返済期間を延長して毎月の返済を軽減
- 元金返済を一定期間据え置き、利息のみ支払い
- 毎月の返済額自体を減らす
銀行は事業者の改善見込みがあると判断すれば、条件変更に応じるケースもあります。
相談する“最適なタイミング”
返済に困ってからではなく、資金繰りが苦しくなり始めた段階で早めに相談することが重要です。
遅れるほど、
- 信用情報にマイナスの記録が残る
- 銀行の評価が下がる
- リスケを断られる可能性が高まる
といったリスクが増えます。
延滞前の早期相談が成功率を高めるポイントです。
銀行に依頼するための準備資料
銀行が返済猶予を検討する際に重視するのは、数値的に現状と今後の見通しが説明できるかどうかです。
以下の資料を揃えておきましょう:
📄 主要な準備書類
- 最新の決算書・試算表
- 資金繰り表(直近3~12か月分)
- リスケを依頼する理由の裏付け
- 今後の改善策・売上回復計画
- 必要であれば設備投資計画や販促計画
銀行は特に 資金繰り表と改善計画を重視します。
「いつ資金が足りなくなるのか」「返済猶予でどれだけ改善するのか」を数字で示すことが鍵です。
銀行との相談の流れ
返済猶予の相談は、次のような流れで進みます:
- まず担当者に電話や面談で「返済条件の相談をしたい」と伝える
- 現状の資金繰り・困難な状況を説明
- 必要資料を提出
- 銀行が内部審査を実行
- 新しい返済条件の提示
- 条件変更契約書への署名・締結
銀行がチェックするポイントは、「改善見込みがあるか」「返済後の経営が持続可能か」です。
リスケ相談で評価されるポイント
✔ 数字に基づいた具体的な説明
根拠のない「苦しいだけです」という相談は評価されません。
「資金繰りがXXXX円不足になる」など、 数値で見せる説明 が重要です。
✔ 現実的な改善策を示す
ただ猶予を求めるだけでなく、 売上回復策やコスト削減案などを提示し、銀行が「改善が見込める」と判断できるようにします。
✔ 正直・透明な情報共有
現状を隠さず、誠実に伝える姿勢が評価されます。
複数行に黙って相談する、数字をごまかすなどは逆効果です。
銀行に返済猶予を依頼する際も、今後どう立て直すのかを説明できるかが重要になります。
事業計画の考え方については、「失敗しない事業計画書の書き方」で詳しく解説しています。
リスケのメリットとデメリット
✅ メリット
- 返済負担が軽くなり資金繰り改善に余裕が生まれる
- 経営改善に集中できる
- 倒産リスクを下げられる場合がある
⚠ デメリット
- 銀行評価(格付け)が低下し、新規融資が難しくなる場合がある
- 返済猶予期間中の金利・条件変更がある場合あり
- 銀行によっては慎重な審査があるため、準備をしっかりする必要あり
よくある失敗と回避策
✖ 失敗① 相談が遅すぎる
返済が滞ってからの相談では、信頼低下や審査厳格化につながります。
→ 資金繰りが苦しくなる前に早めに相談を。
✖ 失敗② 数値・資料が不十分
根拠のない主張だけでは認められません。
→ 資金繰り表や改善計画を用意し、説明できる形で提出を。
✖ 失敗③ 改善策が曖昧
「何をどう改善するのか」が不明確だと、銀行は前向きな判断をしません。
→ 改善ステップ・期限・成果目標まで提示する。
自己判断に不安があるときは専門家相談を
リスケ相談は銀行によって対応姿勢が異なり、提出書類の整合性・説明の仕方・改善計画のクオリティが採否を左右します。
事前に行政書士など専門家に計画書のチェックやアドバイスを受けることで、銀行との交渉が圧倒的に進めやすくなります。
専門家は、
✔ 経営改善計画書の作成
✔ 資金繰り表の整理
✔ 審査官が評価する説明方法
までサポート可能です。
融資・リスケを進める前に一度整理しておきたい方は、融資申請サポートをご確認ください。
