銀行に相談に行く前にやってはいけない5つの行動
銀行相談は「行った時点」で評価が始まっている
多くの事業者が誤解しているのが、「正式に融資を申し込んでから審査が始まる」という認識です。
実際には、
- 初回の問い合わせ
- 面談時の受け答え
- 持参した資料の内容と整合性
これらすべてが、融資判断の材料になります。
つまり、銀行に相談に行った瞬間から評価は始まっているということです。
にもかかわらず、事前準備が不十分なまま相談に行き、
自ら評価を下げてしまうケースは少なくありません。
ここでは、融資相談前に絶対に避けたい行動を、実務の視点から整理します。
やってはいけない行動①「資金使途が曖昧なまま相談する」
「運転資金として考えています」
「とりあえず○○万円くらい借りられれば…」
このような説明は、銀行側に強い不安を与えます。
銀行が見ているのは、
- 何に使う資金なのか
- なぜ今必要なのか
- 使った結果、どう返済されるのか
です。
資金使途が曖昧なまま相談すると、
計画性がない=返済管理も甘いのではないか
という評価につながりやすくなります。
少なくとも、
- 運転資金なのか設備資金なのか
- どの支払いに充てるのか
- いつから効果が出るのか
ここまでは言語化してから相談に行くべきです。
やってはいけない行動②「決算書の内容を把握していない」
「税理士に任せているので詳しくは分かりません」
この一言で、評価が下がることは珍しくありません。
銀行は、
数字の良し悪し以上に、経営者が自社の数字を理解しているか
を見ています。
特に聞かれやすいのは、
- 売上が増減した理由
- 利益が出なかった原因
- 借入金が増えた背景
これらに対して説明できないと、
「経営状況を把握していない社長」という印象になります。
細かい会計知識は不要ですが、自社の決算書を自分の言葉で説明できる状態であることは重要です。
やってはいけない行動③「希望金額だけを強く主張する」
「最低でも○○万円は必要です」
「この金額が借りられないなら意味がありません」
このような伝え方は、交渉として逆効果になりがちです。
銀行は、
- 借りたい金額
- 借りられる金額
- 返せる金額
を切り分けて考えています。
希望金額だけを押し出すと、返済可能性より資金調達そのものを優先していると受け取られる可能性があります。
適切なのは、
- 必要資金の根拠を示す
- 不足した場合の代替案も用意する
こうした柔軟な姿勢を見せることです。
やってはいけない行動④「他行の話を軽く持ち出す」
「別の銀行では前向きでした」
「他でも相談しています」
事実であっても、伝え方には注意が必要です。
銀行は横並びの業界ですが、他行の動きを過度に意識させる発言は警戒されます。
特に、
- 比較材料として使う
- 圧をかける意図が見える
こうした話し方は、マイナス評価になりやすいです。
複数行に相談すること自体は問題ありませんが、あくまで自社の状況説明を中心に据えることが重要です。
やってはいけない行動⑤「都合の悪い情報を隠そうとする」
税金の滞納
過去のリスケジュール
赤字決算の理由
これらを聞かれて、
- あいまいに答える
- 後出しになる
この対応が、最も評価を下げます。
銀行は、問題があること自体より、向き合い方を見ています。
正直に説明した上で、
- 現在どう改善しているか
- 今後どう管理するか
ここまで話せれば、マイナスを最小限に抑えることは可能です。
銀行相談前に最低限準備しておくべきこと
融資相談に行く前に、次の点は整理しておきましょう。
- 資金使途と金額の根拠
- 直近の決算内容の要点
- 現在の借入状況
- 資金繰りの見通し
- 想定される質問への回答
これらが整理できているだけで、
銀行担当者の受け取り方は大きく変わります。
まとめ|融資は「準備の質」で結果が変わる
融資が通るかどうかは、数字だけで決まるわけではありません。
相談に行く前の準備と姿勢が、審査結果に影響する場面は数多くあります。
もし、
- 何から整理すべきかわからない
- 自分の説明が評価される内容か不安
そう感じる場合は、金融機関の視点を理解した専門家に一度整理してもらうことで、無駄な減点を避けることができます。
