赤字決算でも融資は受けられる?審査のポイントと成功のコツ
赤字決算の会社から「銀行に行きにくい」「融資は無理では?」と相談されることは非常に多いです。
しかし実際には、赤字があっても融資が通るケースは珍しくありません。
ここでは、赤字決算でも融資が受けられる理由、審査ポイント、改善策、必要書類まで実務的に解説します。
自社についての財務内容を理解していないと始まりませんので、貸借対照表・損益計算書をもう一度確認しておくこともオススメします。
お悩み:融資審査で落ちやすいポイントが知りたいも合わせてご覧ください。
赤字でも融資が通る理由
金融機関は「赤字だからNG」という判断ではなく、会社の将来性や返済可能性を見ています。
再建可能性
赤字の原因が一時的であれば問題ありません。
キャッシュフロー
営業キャッシュフローが黒字なら、返済原資があると判断されます。
市場性・強み
売上の伸びしろ、固定客、地域性などは高評価につながります。
資金使途が明確
借りたお金を何に使い、どう改善するかが説明できることが重要です。
赤字決算で融資を成功させる4つのポイント
1. 赤字の原因を明確にする
金融機関が最も嫌うのは「原因不明の赤字」です。
例)
- 設備投資が重なった
- 原材料費の急騰
- 一時的な売上減少
- 新規店舗の立ち上げ費用
正直に説明した方が信頼につながります。嘘をついてもすぐに矛盾点が見つかり、バレてしまいます。
2. 改善策を具体的に提示する
原因だけでなく「どう立て直すか」が重要です。
- 利益率の高い商品の強化
- 不採算事業の縮小
- 仕入れ条件の見直し
- 補助金活用による投資
- 営業方法の改善
改善策に実現性があれば審査は大きく前進します。
3. 返済原資(キャッシュフロー)を説明する
融資審査で最も重要なのは返済可能性です。
- 営業キャッシュフロー
- 黒字化の見込み
- 利益構造の改善策
これらを数値で説明できると説得力が高まります。
4. 事業計画書の質を高める
赤字企業ほど事業計画書が重視されます。
- 売上予測の根拠
- 経費削減計画
- 投資回収の見込み
- 競合との差別化
- 資金使途の具体性
行政書士としても、金融機関が読みやすい計画書の作成をサポートできます。
赤字決算でも使える融資制度
赤字決算でも利用できる制度は多くあります。
- 日本政策金融公庫「経営改善」
- 信用保証協会の経営安定関連保証
- セーフティネット保証4号・5号
- 返済負担を軽くする借換(一本化)
特に赤字決算は「借換」で資金繰りを立て直す企業が数多く存在します。
赤字企業が最も避けるべきこと
もっとも危険なのは 税金・社会保険の滞納 です。
滞納があると
- 融資審査で不利
- 延滞金が増えて資金圧迫
- 経営悪化と判断される
赤字であっても納税ができている企業は信用度が高くなります。
赤字決算での融資は専門家に相談することで成功率が上がる
赤字決算での融資は、説明資料の完成度が重要です。
行政書士として
- 事業計画書
- 資金繰り表
- 改善計画書
を整えることで、金融機関が判断しやすくなり、融資成功率が大幅に上がります。
