補助金の“審査ポイント”がわからない方へ
審査員が本当に見ている5つの視点
申請書を書いても「なぜ落ちるのか」がわからない…
補助金の相談でいちばん多いのがこれです。
- ちゃんと書いたはずなのに落ちた
- 理由が全く見えない
- 何を改善すればいいか分からない
でも実は、申請者が気にするポイントと審査員が重視するポイントがズレていることがほとんど。
この記事では、「審査で本当にチェックされる視点」だけを5つに絞って解説します。
審査員が見る5つの“本質的なポイント”
① 補助金の目的に合っているか
いちばん重要。ここがズレていたらアウトです。
審査員は「あなたの事業が、この補助金の目的通りの成果を出しそうか」を確認します。
補助金ごとに目的は別物で、たとえば──
- ものづくり補助金 → 生産性向上
- 持続化補助金 → 販路開拓・集客
- IT導入補助金 → 業務効率化・DX化
目的に沿っていない計画は、どれだけ文章が丁寧でも評価されません。
② 説明が論理的で「成果が再現できる」か
審査員は「主観」では採択しません。
見るのは “ロジック” が破綻していないか。
ポイントはこの流れがつながっているかどうか:
- 課題
- 課題の原因
- 解決策(=補助事業)
- 解決したときの成果
- 数値としての見込み(売上・効率化など)
ここが途切れている申請書は、採択率が一気に落ちる。
③ 根拠(エビデンス)があるか
審査員は “本当にできる事業なの?” を常に疑う目で見ています。
だから、数値・見積・根拠資料で裏付けがあるだけで評価が跳ね上がります。
例
- 市場データや需要予測
- 類似事例の比較
- 詳細な見積書
- 経験・実績の証明
- 課題の発生状況のデータ
逆に言えば、根拠がない前向きな言葉は全部スルーされます。
④ 事業者の実現可能性(ちゃんと完了できる?)
補助金は「できそうな人」に渡されます。
審査員が見るのは、この3つ:
- 過去の実績
- 経営者・スタッフのスキル
- 事業計画のスケジュールの現実性
「今までの実績では無理がある」「人手が足りない」「期間が短すぎる」
こういう計画は、内容が良くても落ちることが多いです。
⑤ 投資効果が高いか(費用対効果)
補助金は税金だから、“支援したときのリターン” も超重要です。
審査員がよく見るポイント:
- かけた費用に対して成果が出そうか
- 売上・利益がどれくらい増えるか
- 生産性がどれだけ向上するか
- 中長期で持続する効果があるか
「高い機械を買いたい」だけでは採択されないのはこのためです。
落選する計画に共通する3つのパターン
① 感想ベースの文章で“根拠”が薄い
「頑張りたい」「ニーズがあると思う」
→ 審査員には響かない。全部削られます。
② 目的と計画がズレている
例:販路開拓の補助金なのに
「業務効率化のための設備を購入」などが挙げられます。
③ 数字が弱い
- 売上増加の見込み
- 投資回収
- 集客の根拠
ここが曖昧だと、どんな補助金でも落ちやすいです。
審査で勝つために“最低限やるべき”こと
プロが必ずやるのは、この3つ。
- 目的と計画のズレがないか徹底チェック
- 課題→原因→解決→成果のロジックを繋げる
- データや根拠資料を盛り込む
この3つだけで、文章力を上げなくても採択可能性は大きく上がります。
まとめ:審査は「感覚」ではなく“構造”で決まる
補助金の採否は運ではなく、審査員が見る 構造的なチェックポイント が存在します。
- 目的との一致
- 論理的なストーリー
- 根拠の有無
- 実現可能性
- 投資対効果
この5つを外さなければ、文章が上手でなくても採択に近づけます。
