補助金の事業計画で「本当に売上が増えるのか」不安な方へ|審査で評価される“売上向上ロジック”の作り方
補助金の事業計画書を書くとき、多くの方がぶつかる壁があります。
それが 「この計画で本当に売上が増えるのか?」 という不安です。
実は、これは申請者だけでなく、審査員も同じ視点で見ています。
審査で重視されるのは、機械やITツールを導入すれば売上が増える、という“願望”ではなく、売上増加のロジック(因果関係)が明確かどうか です。
この記事では、売上向上の考え方、審査で評価される根拠のつくり方を解説します。
売上は「5つの分解」に落とすとロジックが作りやすい
売上は次の5つに分解できます。
- 客数
- 客単価
- 提供可能量(生産量・処理量)
- 回転率(作業効率)
- 商品力(選ばれる理由)
例えば機械導入の場合、売上が伸びる理由は “導入機器 → 生産量UP → 受注数UP → 売上UP” という因果関係に分解できます。
ITツールなら、“業務効率化 → 時間創出 → 新規商談増加 → 売上UP” などの流れです。
「何が改善され、それがどう売上につながるのか」を、箇条書きレベルで書くと審査員も理解しやすくなります。
審査で評価される「売上向上のストーリー」とは?
審査員は、次の3つを特にチェックします。
① 具体的な数値があるか
「売上が伸びる見込み」だけでは不十分です。
たとえば
・処理能力が月300件→450件になる
・1日当たりの来客対応数が20名→30名へ
・生産スピードが20%向上
など、計画の裏付けになる数値が欠かせません。
② 競合との差別化が明確か
ただ導入しただけでは「他社も同じことをしている」状態です。
・短納期化
・品質の安定
・提供できるメニューの拡大
・顧客体験の改善(予約しやすさなど)
など、自社ならではの強みがどう強化されるのかを説明します。
③ 売上につながる“導線”が切れていないか
ありがちなNG例は、
「機械を入れた → 生産量が増える → だから売上が上がる」
という“つながりが一段飛んでいる”計画です。
受注経路・見込み客・販路などの説明がないと、審査員は「売上が増えるとは限らない」と判断します。
売上向上の根拠に使える資料の例
根拠が弱いと、どんなに計画が立派でも採択率は下がります。
以下は審査で評価されやすい“エビデンス”です。
- 過去の売上推移・顧客数の変化
- 見積書(新規事業の設備や原価)
- 市場調査データ(業界動向、需要増加の根拠)
- 競合分析(他社と比べて足りない点)
- 現場の業務フロー図(どこがボトルネックか明確に)
- 顧客のアンケートやニーズ調査
- 商談数の見込みや契約率のデータ
- 新規メニューの試作結果・テストマーケティング
「感覚ではなく、客観的材料を揃える」と説得力が一気に上がります。
売上向上ロジックを作る“5つの基本ステップ”
現場で使える形でまとめます。
1. 現状の課題を数値で可視化する
例:
・繁忙期に生産が追いつかず月20件の受注を断っている
・問い合わせに対し返信が遅れ、機会損失が発生している
2. 課題を解決する設備・ITツールを明確化する
例:
・〇〇機の導入で生産量30%増
・予約管理システムで対応漏れを防止
3. 改善後の効果を具体的な数値で示す
例:
・1日の作業量が3倍になる
・商談件数が月15件→25件に増える
4. 効果が売上につながる因果関係を説明する
例:
“生産量増加 → 追加受注が可能 → 売上が月100万円増加見込み”
5. エビデンス(根拠資料)を添えて補強する
市場調査・アンケート・見積書など。
「本当に売上が増えるのか」は、ロジック次第で“証明できる”
審査では、夢のある計画より、現実的で再現性のある計画が採択されやすい 傾向があります。
売上向上のロジックがしっかりしていれば、小さな会社でも高い確率で採択されますし、提出書類も安定して作れます。
補助金の事業計画づくりに不安がある方へ
売上につながるロジックは少しコツがありますが、一度つかむと、どの補助金でも応用できます。
「うちの事業だとどう書けばいい?」
「数値がうまく作れない」
「エビデンスが弱い気がする」
などあれば、是非当事務所にご相談ください!
