経営者保証を外す方法
「銀行融資で付けられた経営者保証(個人保証)を外したい」
これは中小企業経営者にとって大きな関心事であり、個人の資産リスクを下げるための必須テーマでもあります。
最近は経営者保証を外す動きが広まりつつあり、旧来の「外せない仕組み」ではなく、条件を整えることで解除できる時代になっています。
本記事では、
✔ 経営者保証を外すために満たすべき条件
✔ 銀行・保証協会が評価するポイント
✔ 実際に保証解除を進める手順
✔ よくある失敗パターンと注意点
を実務視点でわかりやすく解説します。
なぜ経営者保証は外れる流れになっているのか?
経営者保証とは、会社が返済できないときに社長など個人が代わりに返済責任を負う仕組みです。
従来はこの保証がほぼ必須でしたが、近年は全国銀行協会などのガイドライン普及や制度整備により、保証を外す選択肢が広がっています。
ただし、誰でも自動で外れるわけではなく、一定の条件と準備が必要です。
経営者保証を外すために満たすべき3つの条件
銀行や信用保証協会が保証解除に前向きになるための基本条件は次の3点です。
1. 法人と経営者の資産・経理が分離されていること
会社のお金と社長の個人資産が明確に区別されている状態が前提です。
- 法人の通帳で個人支出しない
- 役員貸付金が極端に多くない
など、財務の透明性が審査で重視されます。
2. 財務基盤が強く、返済可能性があること
銀行は保証解除後でも返済可能性が保たれるかを重視します。
- 債務超過でない
- 利益体質がある
- キャッシュフローに余裕がある
といった財務状況が整っていることが求められます。
3. 適時・適切な情報開示
銀行への定期的な資料提出・共有ができていないと認められません。
- 月次試算表
- 資金繰り表
- 納税証明書(未納なし)
こうした健全な経営管理の実績があることが解除の大前提です。
どのタイミングで相談するべきか?
経営者保証の解除は、「調子の良い決算の直後」や「借換えのタイミング」が相談の好機です。
決算内容が良好であれば銀行担当者の反応も前向きになり、追加融資と同時に保証解除交渉が進むケースが増えます。
逆に、赤字や資金繰りが不安定な時期は難易度が上がります。
準備すべき資料
銀行に保証解除をお願いする際は、次の資料を揃えると審査で評価が高まります。
- 月次試算表
- 資金繰り表
- 過去3期〜の決算書
- 役員貸付金資料
- 今後の事業・改善計画
- 納税証明書
数字に矛盾がないかを事前にチェックし、説明用のストーリーとして整理することが成功の分岐点です。
解除交渉で銀行に伝えるべきポイント
銀行との交渉では、単に「保証を外したい」と言うだけでは突破できません。銀行はリスクを最小化したいので、納得できる説明材料と体制の整備を求めます。
交渉時に伝えたいポイント:
✔ 法人と個人が財務的に明確に分離されている
✔ 既存借入の返済余力があること
✔ 今後も定期的に財務情報を共有する意思があること
これらを具体的に数値で説明できる準備が重要です。
制度を活用した解除方法
信用保証協会付き融資では、保証料を上乗せすることで経営者保証を不要にする制度もあります。
2024年3月からは「事業者選択型経営者保証非提供制度」という仕組みがあり、条件によっては保証なしで信用保証付き融資を受けられます。
これを使う場合は、金融機関に「保証なしで借換え希望」と明確に伝えることが重要です。
よくある失敗パターンと回避策
❌ 資産・経理が曖昧な企業
→ 個人資産との混同は解除の致命的障壁
❌ 財務状況が改善されていない
→ まずは収益性・自己資本比率の改善を
❌ 銀行との情報共有・面談が不足
→ 現状を正確にオープンにすることが信頼につながる
まとめ:経営者保証解除の実務ポイント
経営者保証は以前より外しやすい時代になっていますが、勝手に外れるものではなく、事前準備と説得力ある説明が不可欠です。
実務では、
- 財務の分離
- 安定した返済計画
- 適時の情報開示
が評価されるキーポイントになります。
保証解除が実現すれば、個人資産のリスクが下がり、経営に専念できる環境が整います。
ぜひ早い段階から銀行とコミュニケーションを取り、準備を始めましょう。
融資を進める前に一度整理しておきたい方は、融資申請サポートをご確認ください。
