税金を滞納すると融資は受けられないのか?
税金の滞納は、融資審査の中でも特に重く評価されます。
理由は、税金=「最優先で支払うべきもの」だからです。
元金融機関の経験から、実際にどの程度影響が出るのかを解説します。
税金の滞納が重視される理由
税金の滞納は金融機関にとって「資金管理ができていないサイン」と捉えられます。
主な理由は次のとおりです。
- 税金は社会的責務であり優先順位が高い
- 税金を払えない=資金繰りに明確な問題がある
- ほかの支払いも滞る可能性が高いと判断される
- 税金滞納 → 差押え → 返済不能というリスクがある
特に保証協会付き融資では、滞納の有無はほぼ確実にチェックされる項目 です。
「滞納あり」はどの程度マイナス評価なのか
滞納は以下のようにランク分けされ、金融機関の判断も変わります。
軽度
- 1〜2か月の遅れで、すでに完納済み
- 悪影響はあるが、まだ回復可能
- 理由と改善策を説明できれば通る場合もある
中程度
- 数か月以上の滞納
- 分納中だが、計画通り払えていない
- 審査はかなり厳しい
重度
- 差押えを受けている
- そもそも支払う意思が見えない
- 新規融資はほぼ不可能
滞納したまま申込むのは絶対NG
金融機関は次の点を必ず確認します。
- 納税証明書
- 住民税・事業税・消費税の納付状況
- 分納計画の履行状況
「滞納したまま」は即アウトです。
まずは完納、または分納計画を立てて確実に履行することが先になります。
完納すれば融資は受けられるのか
結論として、完納すれば再評価は可能です。
ただし以下が重要です。
- 「なぜ滞納したのか」を説明
- 「今後は同じことが起きない根拠」を示す
- 資金繰り表で改善を証明する
金融機関は「再発防止策」が提示されれば、ハードルは下がります。
税金滞納がある場合の具体的な対処法
滞納がある場合は、次の手順を踏むことで融資の可能性は上がります。
- まずは全額完納、または正式な分納合意を取得
- 納付した事実の証明書類を用意
- 資金繰り表の作成(3〜12か月分)
- 滞納の理由と改善策を明文化
- 過度な支出の見直し(信用を回復)
- 売上改善やコスト削減の計画書を作成
特に「税金優先で支払う」という姿勢が見えていることが大切です。
まとめ
税金の滞納は融資審査において強いマイナス材料になります。
しかし、完納と説明、そして資金繰り改善策を整えれば、融資が再び検討されるケースも少なくありません。
融資を希望する場合は、まず税金問題を解決することから始めるのが最適です。
