損益分岐点とは?誰でもわかる黒字ラインの考え方
事業を運営する上で、損益分岐点(Break-even Point)は必ず押さえておきたい重要な数字です。損益分岐点とは、簡単に言えば「売上がどれくらいあれば黒字になるか」「黒字と赤字の境目となるライン」のことを指します。
この数字を理解しておくと、事業計画書の作成や融資申請の際にも非常に役立ちます。また、資金繰りや内部留保の管理と組み合わせることで、より安定した経営が可能になります
(関連記事:「資金繰りとは?中小企業が必ず押さえておくべき基本と改善方法」「内部留保とは?誰でもわかる仕組みと意味を解説」)
損益分岐点の基本イメージ
損益分岐点は、売上と費用(固定費・変動費)が交わる点であり、事業の黒字化の基準となります。
- 売上が損益分岐点より低い → 赤字(売上<費用)
- 売上が損益分岐点より高い → 黒字(売上>費用)
この考え方を理解しておくと、事業運営の目標設定や価格戦略が明確になり、無理のない計画を立てやすくなります。また、損益分岐点を把握することで、固定費や変動費の無駄を見直すきっかけにもなります。
損益分岐点の求め方
損益分岐点売上高は、次の式で計算できます。
損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ (1 − 変動費率)
ここで、変動費率は売上に対する変動費の割合です。
具体例
- 売上:200
- 固定費:60
- 変動費:80
変動費率 = 80 ÷ 200 = 0.4(40%)
損益分岐点売上高 = 60 ÷ (1 − 0.4) = 100
この例では、売上が100を超えれば黒字となり、それ以下だと赤字になることがわかります。
この計算を定期的に行い、毎月の損益分岐点を意識した運営をすることで、黒字化を安定的に維持できます。
また、損益分岐点の分析は、補助金申請や融資の計画書作成にも活用可能です(関連記事:「採択率を上げる補助金申請書の作り方」「補助金採択後に失敗しない実績報告のコツ」)
なぜ損益分岐点が重要なのか
事業を始めると「とにかく売上を増やす」という考えに偏りがちですが、最低限どれくらい売上が必要かを知らなければ目標設定は曖昧になってしまいます。
損益分岐点を理解することで、次のようなメリットがあります。
- 固定費や変動費の見直し
無駄な支出を削減し、利益率を改善する判断材料になります。 - 価格設定の判断材料
適切な値上げ・値下げを行うことで、利益の最大化に直結します。 - 経営計画の目安となる
黒字化に必要な売上ラインを把握することで、営業目標やマーケティング施策を効果的に立案できます。
損益分岐点を活用した事業改善のポイント
損益分岐点を理解した上で、次のような実践的な改善策を講じることで、経営の安定性をさらに高めることができます。
- 固定費の見直し
家賃や光熱費、人件費など固定費の無駄を削減すると、損益分岐点売上高を下げることができます。 - 変動費率の改善
仕入れコストや外注費の管理を徹底し、売上に対する変動費の割合を下げることが利益改善につながります。 - 売上の戦略的向上
商品やサービスの価格設定を見直したり、顧客単価の引き上げやリピート率の向上を図ることも有効です。 - 資金繰りや内部留保と組み合わせる
損益分岐点を把握していると、必要な資金の流れを予測しやすくなります。日々の資金繰り管理や将来の投資計画、内部留保の戦略的活用に役立ちます
(関連記事:「内部留保とは?誰でもわかる仕組みと意味を解説」「資金繰りとは?中小企業が必ず押さえておくべき基本と改善方法」)
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