創業資金の借り方|融資の注意点も解説
創業資金とは、法人や個人事業主が創業期にのみ借入できる資金のことを指します。一般的な事業資金の借入と比べると、金利や返済期間で優遇されていることが多く、創業期の事業者にとっては大きな助けになります。
創業期は実績がないため、融資審査において一見不利に見えることもありますが、逆に「創業期だからこそ柔軟に評価してもらえる場合」もあります。しかし、しっかりとした事業計画書を作成し、必要な準備を整えることが不可欠です。創業資金だからといって、簡単に融資が受けられるわけではありません。
主な借入方法は以下の2つです。
- 日本政策金融公庫からの創業融資
- 信用保証協会の保証付き金融機関からの借入
どちらもメリット・デメリットがあり、融資限度額や金利は個々の事業者によって異なります。創業資金だけでなく、事業資金全体の調達方法もあわせて検討することが大切です。
日本政策金融公庫の創業融資
日本政策金融公庫は財務省所管の特殊会社で、全国に152店舗あります。事業内容は以下の3つに分かれています。
- 国民生活事業(小規模企業・個人事業向け)
- 農林水産事業
- 中小企業事業
創業融資は国民生活事業に分類されます。特徴としては、税務申告が2期未満の場合は無担保・無保証での借入が可能な点や、利率引き下げや返済期間の延長ができる点があります(運転資金10年、設備資金20年)。
ただし、金融業や性風俗業など、融資対象外の業種も存在します。また、日本政策金融公庫は預金業務を行っていないため、融資金は他の金融機関の口座に入金され、自動引き落としで返済されます。
日本政策金融公庫のメリット
- 無担保・無保証で融資を受けられる可能性がある
- 金利が低めで、返済期間も長い
- 小規模事業者や個人事業主でも利用しやすい
注意点
- 審査の準備は必須(事業計画書・自己資金の確認)
- 融資対象外業種に該当する場合は借入不可
信用保証協会の保証付き創業融資
信用保証協会は、都道府県ごとに1支店あり、事業者の本社や営業所を管轄する協会が保証します。金融機関からの融資に対して、保証協会が保証人となるイメージです。
メリット
- 金融機関にとってのリスクが低減され、融資が受けやすくなる
- 金利や条件面で一定の融資メリットが得られる
デメリット
- 保証料が必要
- 金融機関と保証協会、両方の審査を受けるため、審査期間が長くなる場合がある
事業者は基本的に保証協会と直接やり取りせず、金融機関を通して手続きを行います。
創業資金を借りる際に共通して気をつけること
- 正直に申告すること
嘘やごまかしは後に判明すると融資が打ち切られることがあります。事業内容、資金計画、許認可の有無などは正確に伝えましょう。 - 自己資金を準備すること
融資金の3割~4割程度の自己資金は必要です。保証協会を利用する場合、自己資金要件を満たさなければ審査されません。 - しっかりした事業計画書を作ること
口頭説明よりも、書面で分かりやすく説明する方が担当者に伝わりやすいです。
具体的には、売上予測、利益計画、資金繰り表、返済計画などを明示することが望ましいです。 - 返済への意識を持つこと
融資を受ける以上、必ず返済する覚悟を持つことが重要です。金融機関の信頼に応える姿勢が評価されます。 - 融資審査のポイントを理解すること
創業資金であっても、金融機関は事業計画の実現可能性や返済能力を厳しくチェックします。資金繰りや赤字計上、担保や保証人の有無も影響します。
創業資金の活用例
- 新規事業の設備投資
- 店舗開業の初期費用
- 商品開発や在庫確保のための運転資金
創業期は資金繰りが非常にシビアです。必要な資金を過不足なく調達し、無理のない返済計画を立てることが創業成功の鍵となります。
まとめ
- 創業資金は、日本政策金融公庫の創業融資か、保証協会の保証付き金融機関融資が主な手段です。
- 多くの方は日本政策金融公庫を利用していますが、事業内容や融資条件によって最適な方法を選ぶことが大切です。
- 弊事務所では、創業資金の調達や融資申請のサポートにも力を入れております。初めての方や不安がある方も、安心してご相談ください。
