事業資金の調達先|日本政策金融公庫・銀行・信用金庫・ノンバンクの特徴と選び方
事業を行う上で必要な資金調達。創業時や事業拡大時には、どの金融機関・貸金業者から資金を調達するかが重要になります。
事業資金の主な調達先は以下の通りです。
- 日本政策金融公庫
- 銀行(メガバンク・地方銀行)
- 信用金庫・信用組合
- ノンバンク(貸金業者)
それぞれの特徴やメリット・デメリットを理解し、借入金額・金利・借入期間・返済の負担を考えながら選ぶことが重要です。
日本政策金融公庫
日本政策金融公庫は、中小企業・零細企業向けの政府系金融機関です。特に創業資金の調達先として人気があります。
- 取扱資金:創業資金、運転資金、設備資金
- 借入上限:一般貸付は4,800万円まで
- 借入期間:運転資金5年、設備資金10年(創業資金は最長10年)
- 金利:無担保2%代~3%代、有担保1%代~3%代
- 優遇条件:女性、35歳未満・55歳以上などで金利低減
特徴
- 他の金融機関口座を利用して返済するため、日本政策金融公庫自体に口座開設は不要
- 創業期の資金調達に非常に有利
創業資金の調達先としては、まず日本政策金融公庫を検討することが推奨されます。
銀行(メガバンク・地方銀行)
銀行からの資金調達は、規模の大きな事業者や長期的な運転資金に向いています。
- メガバンク:大規模事業者向け、多額借入に適
- 地方銀行:地域の中小企業向け、多額融資も可能
特徴
- 金利は信用金庫・信用組合より低い傾向
- 創業期は保証協会の保証付が一般的
- 株式会社として営利目的のため、融資以外に投資信託などの営業提案を受ける場合もある
- 不要なサービスは断る姿勢が必要
実績のある事業者ほど、銀行からの融資を有利に受けやすくなります。
信用金庫・信用組合
地域密着型の金融機関で、地域の零細・中小企業の発展を支援する非営利法人です。
- 利用条件:営業拠点が金融機関の管轄エリア内であること
- 借入上限:各金庫・組合で数十億円まで
- 金利:保証協会保証付で~2%代、プロパー融資で~4%代
- 出資金:借入や預金の際に加入が必要(数万円~数百万円程度)
特徴
- 地域の実情に合った融資や支援を受けやすい
- 出資金は借入期間中は脱退不可
地域密着型のサポートを受けたい場合や、地元企業とのつながりを重視する場合に有利です。
ノンバンク(貸金業者)
銀行や信用金庫と比べると審査が柔軟で、資金調達スピードが速いのが特徴です。
- 金利は高め(銀行より割高)
- 不動産担保ローンや売掛債権担保ローンに特化する業者も存在
- 迅速な審査で資金をすぐに調達できる
- 注意点:法定登録のある貸金業者であるか必ず確認すること(闇金リスク回避)
まとめ
- 事業資金の調達先は、日本政策金融公庫、銀行、信用金庫・信用組合、ノンバンクなど多岐にわたる
- 金利、返済期間、審査スピード、地域密着性など特徴を理解して選択する
- 創業資金なら日本政策金融公庫が最もおすすめ
- ノンバンク利用時は、貸金業登録を必ず確認
それぞれの資金調達先の強みを理解することで、事業の資金計画が立てやすくなります。
