お悩み:売上が右肩下がり…それでも融資は可能?
「最近、売上が毎年少しずつ下がっているけど、こんな状態でも融資は受けられるの?」
奈良市・生駒市付近の中小企業や個人事業主の方から、こうした不安の声をよくお聞きします。
結論から言うと、売上が右肩下がりでも融資は十分に可能です。
ただし、金融機関が注目しているのは「売上の増減」よりも、利益率や経営改善の姿勢です。
この記事では、元金融機関勤務の行政書士が、売上減少時でも融資を受けるために押さえるべきポイントをわかりやすく解説します。
売上減少だけでは融資の可否は決まらない
金融機関が融資審査で重視するのは、「売上の推移」よりも利益構造です。
売上が減っていても、利益が出ていれば十分に評価されます。
たとえば――
- 売上は減少しているが、利益率が改善している
- 不採算部門を整理して経費削減に成功している
- 小規模化しながらも安定したキャッシュフローを確保している
こうしたケースでは、金融機関は「健全な経営判断をしている」と前向きに評価します。
逆に、売上が増えているにもかかわらず利益が出ていない場合、「コスト管理ができていない」「収益性に問題がある」と判断されることがあります。
金融機関が見ている“利益”とは?
金融機関は、決算書の中でも以下の項目を特に注視しています。
- 売上総利益(粗利):本業でどれだけ稼いでいるか
- 営業利益:本業の収益性
- 経常利益:営業外収支も含めた経営の総合力
- 当期純利益:最終的な利益水準
このうち、最も重視されるのは「営業利益」です。
なぜなら、営業利益が赤字である限り、本業を続けるほど資金が減っていく構造になってしまうからです。
一方で、補助金や固定資産売却益などの一時的な利益は、プラス評価されにくい傾向があります。
金融機関は「持続的に利益を生み出せるか」を見ています。
売上が右肩下がりでも評価されるポイント
売上が減少していても、以下のような改善努力が見えると、融資が通る可能性は高まります。
- 利益率改善への取り組み
仕入価格の見直し、原価管理の徹底、無駄な経費削減など。 - 経営の選択と集中
利益率の高い商品・サービスに絞るなど、事業の再構築。 - 計画的な経営姿勢
収支計画や資金繰り表をきちんと作成し、将来を見据えた行動をしているか。 - 誠実な情報開示と説明力
売上減少の理由を金融機関に明確に説明できることが大切です。
金融機関は「業績が悪いからNG」ではなく、「今後の改善可能性があるか」を見ています。
無理なコスト削減は逆効果
利益率改善を目指す中で、注意すべきは「やりすぎたコスト削減」です。
経費を減らしすぎると、サービス品質や従業員のモチベーション低下につながり、結果的に売上がさらに落ち込む悪循環を生むこともあります。
経営改善は、短期的な数字合わせではなく、持続可能な構造改革が重要です。
経営者一人では見えにくい部分もありますので、行政書士・中小企業診断士・税理士など、第三者の視点を取り入れるのが有効です。
奈良市・生駒市付近で融資にお悩みの方へ
売上が右肩下がりだからといって、融資を諦める必要はありません。
金融機関が求めているのは、「課題を正しく認識し、改善に向けて動いているか」という姿勢です。
当事務所では、奈良市・生駒市付近の中小企業や個人事業主の方を対象に、
- 経営改善計画書の作成支援
- 融資申請のサポート
- 金融機関との交渉アドバイス
を行っています。
金融機関出身の行政書士として、現場目線でサポートいたします。
売上減少や融資でお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
